フリーパターンSome Cloudy Dayアップしました

皆さん、こんにちは。 Tiny Owl Knitsのステファニー・ドゥーサンさんのパターンは先日Ships and Seasideをリリースしたばかりですが、ステファニーさんよりフリーパターンSome Cloudy Dayの翻訳の許可をいただきましたので、当ショップで公開いたします! Some Cloudy Dayは透かし模様がかわいいレッグウォーマー。 輪編みでグルグルと編んでいきます。   糸の必要量は一足につき大体180mくらい。 パターン内のレベルメーターでは初級者向け、なのですが、個人的には、輪編みだし、中級ニッターさん以上かなと思います(デザイナーさんって皆さん達人なので、実際のレベルより低めに評価する傾向があるんですよね)。 実は、ひろねこさんにShips And Seasideのテストニットをお願いしたときに、ステファニーさんのこのパターンを編まれたことがあるとうかがって、衝動的に編み始めてしまったのです(´▽`)。先日チラッとお話したラーメンアルパカ糸プロジェクトがそうです。 でもゲージも取らずに指定の針で編んだらゆるゆるだったので;、今針の号数を落として仕切り直し中です。 自分が編んだフリーのパターンで、デザイナーさんから許可がいただけたものは翻訳したいと思っているので、翻訳OKかうかがっていたのでした。もちろん!ということなのでご提供できることになりました^^。 フリーパターンのページよりダウンロードしていただけますよ。 冬のお供にぜひ。 ポチ、シェア等していただけましたら嬉しいです^^。 ↓ ↓ ↓ ↓

サイトをちょっぴりリニューアルしました

皆さん、こんにちは。 昨日までは、サイトのリノベーション、メンテナンス作業につき大変ご迷惑をおかけいたしました。 無事再オープンいたしましたので、ご報告です。 リノベーションではメニューの構成を変えたり、パターン一覧ページを追加しました。 変更のせいで皆さんが迷子にならないように。。。ということでサイトマップも作成。 レジ画面の入力項目も少し変更して、ご記入いただく住所を短くしました。 編み物をする同姓同名の人が同じ市町村に住んでいる可能性はかなり低い・・・と思いますので。 デザインもちょっぴりリニューアルし、(出来る範囲で^^;)レスポンシブ化をしてみました。 サイトタイトルのフォントは最近気に入っているGoogle フォントです(選ぶのが楽しい^^)。 これで少しわかりやすく、見やすくなっているといいな。 ところで先日より、mitukaさんにEoleをテストニットしていただいていましたが、テストを終了されてます! シンプルなデザインなので、真っ赤が映えます。 近日中にリリースいたしますので、もう少々お待ちくださいね。 おまけでBaby Myaの着画も載せて頂いてます。皆さんぜひチェックして下さい! これからもよろしくお願いいたしますm(_ _)m。

初くつした終了。

ず~っと前に作り中であるとポストした初めてのくつ下、やっと完成しました! 着画(?)です。写真はどれも明るめに写ってます。 前にも書きましたが、ゲージが合ったBasic Ribbed Socksというパターンから作り目をスタートしたのですが、はき口のフィット感を考えてNice Ribbed Socksを取り入れ(1目ゴム編み)、かかとの作り方と目の分け方がNiceと手持ちの林ことみさんの本と一緒だったのでかかとはそちらにし…、針の数は5本で編む林ことみさんの本を参考にし…といろいろと混ぜて作りました。 かかとはこんな。すべり目と表目を交互に編んで丈夫になるようにします。 最後はつま先の目をメリヤスはぎでとじるのですが、端が出っ張るのがちょっぴり気になります。 だからマジックキャストオンでトゥーアップ式に作るくつ下があるのかも?はぎがないのも魅力ですよね。 手持ちの渋オレンジのエナメル靴と合わせられるかな思っていたんですが、同系色すぎてはずしてます・・・。 細身の靴なので市販のものと比べると厚みの出る手編みのソックスはちょっと難しかった~。茶系の靴と合わせようと思います。 色の話と言えば、1足目は確か玉の真中から糸を引き出して編み(ずいぶん前なので覚えていないのです;)、2足目は外側から糸を取って編んだのですが、1足目に比べるとなぜか色のゆらぎが少なくて地味。真中の終わっていないのがそうなんですが、茶系ベースにピンポイントで入る赤や緑がくすんだ感じなのです。 結局二足目も内側から糸を取って編み直したのですが、手染め糸では同じかせでも色の違いってあるんですね。 【作品メモ】 パターン/Pattern:Nice Ribbed Socks, Basic Ribbed Socks, 林ことみ『ニットであったか冬じたく』(文化出版局) 糸/Yarn:Dream in Color, Smooshy: Chinatown Apple 針/Needles:2.5mm(JP1号/US1½) Ravelry作品ページ:Basic and Nice Ribbed Socks というわけで初くつしたは楽しかったです。こんどはトゥーアップ式にも挑戦してみたいな。 いつもありがとうございます^^。 【楽天ブックスなら送料無料】ニットであったか冬じたく [ 林ことみ ]価格:1,512円(税込、送料込)

Pinneguriさんとのコラボ決定!

皆さんこんにちは! 今日は嬉しいニュースです。 先日お客様よりリクエストをいただいた編込み羊カーディガン、Children’s Cardigan Where the Wild Sheep Roam のデザイナーさん、Pinneguriさんとのコラボが決定しました~(パチパチ)! まずはリクエストをいただいたベビーカーディガンからリリースしたいと思いますが、他にも楽しいパターンがいっぱいで、目移りしてしまいそう! 北欧の方なので、スティークや編みこみが多く、どれも編み応えのありそうな作品ばかりです。 ラベリーのアカウントをお持ちの方はこちらから彼女の作品をご覧いただけますよ。 ↓ ↓ ↓ http://www.ravelry.com/designers/pinneguri 皆様楽しみにしていてくださいね!

編み図の著作権等について(見解)~2

皆さん、こんにちは。 編み図の著作権については皆さんやはり並々ならぬ関心がおありのようで、ブログ村から多くのアクセスをいただきました。またTwitterでご感想をお寄せいただいた方々、ファボっていただいた皆さまも、ありがとうございました。 さて、前回の投稿では、編み物本は編集著作物として著作権保護の対象となること、ただし著作権保護の内容は複製の禁止に限られることを述べました。複製の禁止は結構ガチガチなものであることも……。 では「編み図を編んだ作品を販売する」という問題はどうでしょうか? 書籍となっている編み方の表現には著作権が発生しうるとしても-本のレイアウトは「アイデア」なので著作権の対象とはならないそうです。アイデアと表現の線引きはとても難しいようです-、判決にもあるように「編み方自体」には著作権がありません。また、作家さんが発表された編み方に従って編んだ皆さんの作品には作家さんの「著作権」は及びません。 しかし、デザイナーの方が考案したアイデア、デザインおよび編み方は無制限に利用してよいでしょうか。 知的財産法はそれが工業所有権であれ著作権であれ、文化、経済の発展に寄与する創造的な人間活動に対し、インセンティブ(経済的見返り)を与えるのが目的です。しかし、編み物を始め、手芸分野の個人作家の作品の(作り方の)保護については現在の日本の知財法では空隙がある。法律による保護が欲しければ「実用新案登録しないほうが悪い」という考えもありますが、個人作家が自分の作品の作り方を登録するかというと、実際問題としてほぼ不可能でしょう。手続きには多額の費用がかかります(http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/ryoukin/hyou.htm)ので、作品全部を登録するのは夢物語です。 手前味噌になって申し訳ありませんが、当店で販売している海外パターンには利用許諾条件が明記されています。皆さんもご存知の「私的使用の範囲内でご利用下さい」という一文ですね。デザイナーさんによっては、さらに一歩踏み込んで「パターンを編んだ作品の営利目的での利用を禁じます」と明文化しています。また、この利用許諾条件は当店では利用規約にも定めてありますが、「お客様がパターンをお買い上げいただく際には利用規約に同意したもの」とみなさせていただくことになっており、これは言わばお客様との契約条件でもあります(http://atelierbis.xsrv.jp/guide/)。法律で編み方が保護されていないので、このような許諾条件が定めてあるのだと思います。 思うに、編み図の「編み方」が著作権で保護されているように感じるのは、コピーライト表記とこの利用許諾条件が言葉は悪いですが、常に「一緒くた」に書かれているからだと思うのです。本来は「複製権」と「利用許諾条件」と言う全く異なるものであるのに。 さて、百歩譲って(笑)日本の編み「図」一点一点に著作権が発生しないとしても、皆さんがお買い上げになる書籍にも、このような文面はありますね。 今手元にある嶋田俊之先生の『手編みのてぶくろ』(文化出版局、2011年)の後付けには次のように記されています。「本書で紹介した作品の全部または一部を商品化、複製頒布、およびコンクールなどの応募作品として出品することは禁じられています」 「毛糸だま」(Vol.148、日本ヴォーグ社、2010年)にも、「本誌に掲載の作品を複製して販売(店頭、ネットオークション等)することは禁止されています。手づくりを楽しむためにのみご利用下さい」とあります。 これらはすべて利用許諾条件と解釈することが出来ると思います。 編み物本、広くはハンドメイド本という、デザインと作り方という他人のアイデアが記載された特殊な書籍を購入されるときには、皆さんはこの利用条件に同意した、そのようなライセンス契約を結んだ上で購入されているのだと考えることが出来ると思います。ライセンス契約はソフトウェアの使用などでもありますね。ソフトウェアは通常購入後に「使用許諾条件」が提示され、同意しない場合は利用できませんが、編み物本の場合は営利利用禁止条件は本屋で書籍を手に取ればわかるし、手芸をされる方ならこれが慣習的に記載されているのはご存知のはずです。 先ほどのレシピ本に話を戻すと、レシピの本にコピーライト表示があっても営利利用が禁止と記されていないのは、おそらくレシピを見て料理を作るような人間に料理を業として営むことが出来ないからでしょう(笑)。ただし、ハンドメイドはうまい人が作ったものは売れる可能性があるので、ことを難しくしています。 編み図は第1回の冒頭に述べたとおり、「デザイン」と「編み方」、およびその「表現」の微妙なグレーゾーンに位置しています。 でもこのように考えてみてください。 作家さんが発表される編み図が存在しなかったらどうでしょうか。michiyoさんや三國真理子さん、またはスティーヴン・ウェストさんがいなかったら皆さんの編み物ライフはつまらないものになると思いませんか?デザイナーの方のアイデアを拝借させていただいていると考えたら、彼らが(または日本の書籍の場合は編集者が代理として)「禁止」と言っている利用法に背いて利用することは出来ないと思います。このような条件を守るかどうかは、やはりモラルの問題になってくるでしょう。泥棒はダメと法律で定められていてもやってしまう人がいるように。たとえは悪いですけれど(あえて)。 ハンドメイド品でお金を稼ぎたいのであれば、やはり自分でデザインも作り方も考えた作品を売るのが、何人にも非難されない最良の方法です。デザインや作り方を考えるのは楽しい作業です。でも、良いものを「創る」のは時間も労力もかかります。皆さんも作ったものを売って収入源としたいのであれば、一度ご自分でデザインをして、作品の裏にある苦労も知っていただきたいと思います。 最後に、ここまでで終わりにしようと思っていたのですが、新たな、かつ重大と思われる知見を得たので、皆さんと共有しておきたいと思います。 編み図の営利利用禁止は前段の利用許諾条件の受諾という契約の観点から説明できるかと思ったのですが、著作権や不正競争防止法などの知的財産関連法での保護が出来ないものの侵害は、民法709条に定める「不法行為」に基づく救済が可能なようです。709条は「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」というもので、知財法などの法律で認められている権利だけでなく、「権利として認められていないもの、例えば老舗ののれんなど、他人の利益を侵害した場合にも不法行為は成立する」のだそうです(『図解による法律用語辞典』自由国民社、2004年)。つまり、「フリーライド(ただ乗り)」に当たる行為ですね。 例えば、ある企業が別の企業が発売しているデータベースの内容をコピーし、データベースとして販売したところ、データベース自体には著作物性が認められなかったものの、その行為は「公正かつ自由な競争原理によって成り立つ取引社会において、著しく不公正な手段を用いて他人の法的保護に値する営業活動上の利益を侵害する」として損害賠償が認められました(東京地方裁判所平成14年3月28日判例時報1793号)。また、著作物性の認められていない新聞の見出しを某プロバイダがホームページのニュース見出しとして無断で営利目的で使用したところ、この行為は「社会的に許容された限度を超えたもの」であるとされ、新聞社見出しは「相応の苦労・工夫により作成されたもの」であって「見出しのみでも有料での取引対象とされるなど独立した価値を有するものとして扱われている実情」があり、「法的保護に値する利益となり得るものというべきである」という判決が出ています(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/0C642A4A124DC13D492570970018104B.pdf)。 これは編み図にそのまま当てはまりそうですね。編み図一点一点は著作物としての保護を受けられないとしても、デザイナーさんたちの「相応の苦労・工夫により作成されたもの」であり、出版されていること自体に経済的価値を有することが認められますし、「法的保護に値する利益となり得る」でしょう。編み図の営利利用は「財産上の損害」にあたり、名を騙れば「精神的損害」を与える可能性があります。 そのようなわけで、誰もが「なんとなくダメじゃないか」と思っていたことは、不法行為となる可能性がありそうです。ハンドメイド作品の販売サイトの利用規約だったら「他人の権利を侵害する又はその恐れのある作品」に当たるでしょう(tetoteより)。 無断の営利利用が発覚してデザイナーさんに実際に訴えられるかはわかりませんが、このような法的報復措置もあり得るのです。またハンドメイドのマーケットサイトに通告されれば除名となるでしょう。 なんだか怖い話になってしまいましたが、人倫にもとる行為は法的処罰の対象となるというのは救いととるべきなのか、はたまたそのような人間の性を悲しむべきなのか、フクザツな思いとともにここで筆(?)を置かせていただきます。 最後までおつき合いいただきありがとうございました。 次回はもっと軽い話題にします^^。 その他参考サイト ネット記事見出し事件 Copyright for knitters 文化庁 著作権関連判決紹介 機械の設計図の著作権について(技術的思想)

編み図の著作権等について(見解)~1

皆さん、こんにちは。 今回は至極真面目な話です。 編み図に著作権はあるか?編み図を編んだ作品を販売してよいか?という疑問は度々ブログ界をにぎわしてきました。これは海外でも同じようで、「knitting pattern copyright」と検索すると、結構な数の記事がヒットします。さまざまな立場の人がさまざまな意見を呈しているのは日本と同じです。 先日お客様から当店の「ニットパターンは文章、編み図、写真等、その構成物すべてが著作権によって保護されています。パターンのご利用は私的かつ非営利目的での利用に限るものとします。」という利用規約の根拠を教えて下さい、というお問い合わせをいただきました。編み図を編んだ作品が販売されているのを見るとダメじゃないかと思うのだけれど、販売している人に対して、「こうこうこうだから禁止」ではないのか?と言えるような拠りどころが知りたいとおっしゃるのです。 私は法律の専門家ではありませんし、著作権の問題はとても複雑なので、白黒はっきりした答えを提示することは出来ません。以下はお問い合わせをいただいて、自分なりに調べ、このような解釈が可能なのではないかという「見解」を述べたものです。個人的にはパターンショップのオーナーとして、翻訳者として、デザイナーの方々の権利と自分の翻訳物の権利を尊重していただきたい立場にあることをあらかじめご承知おきいただきたいと思います。また、久々にまとまったことを書いたので、(何度も読み返し、書き直しましたが)混乱もあるかと思いますが、ご容赦願います。 一時に全文をアップしようかと思ったのですが、長くなってしまったので2回に分けて掲載します(前置きも長くなったことですし^^;)。 まずは編み図の定義から。太字はキーワードです。 編み図またはニットパターンとは、ニット作家(デザイナー)さんがデザインしたセーターなりマフラーなりの服飾品の作り方を示した、文章や図でなどで構成される出版物ですね。文章や図の比率は日本と海外のものではずいぶん違い、編み方の説明には写真や、記号図などが付随していることもあります。 手編みのセーターができあがるには、まずデザインありき。デザインには創造性が必要であり、著作権の保護対象となると考えがちですが、セーター等の服飾品は量産が可能で、着ることを最終目的として作られるため「実用品」として位置づけられています。そして、実用品の「デザイン」は日本の知的財産法では意匠法で保護されることとなっています。しかし、アパレル業界では流行があり、商品サイクルが短く、商品単価も安いため、商品1点1点につき、時間とお金のかかる意匠登録をすることは実際にはほとんどありません(これが単価が桁違いの車などだと話は別なのでしょう)。 ただし、フランスでは服飾デザインも「服装および装飾の季節産業の創作物」として著作権法で保護され、”パクる“と著作権侵害で訴えられる可能性があります(http://www.cric.or.jp/db/world/france/france_c1.html#110)。これはフランスの重要な産業分野であるファッション業界を保護するのが目的なのでしょう。著作権の保護範囲というのは国によって違いがあり、何をどの程度保護するかは国の政治、経済戦略に関わる問題でもあります。例えばアメリカでは音楽、映画業界が手厚く保護されています。 さて、話が前後しましたが、著作権とはなんでしょうか。 日本の著作権法では、著作物は「思想または感情を創作的に表現したもの」と定義されています。文学、美術品や音楽など、それ自体で鑑賞の価値を有するものが著作物です。一昨年、あるニット作家さんが編み図を無断で営利利用した企業を著作権侵害として訴えたところ、編み図には著作権がないという判決が出ていますが、判決の事由の一つはデザインと編み方は「アイデア(≒思想)」であり、著作物に該当しないためとなっています。アイデアを保護したい場合は「実用新案登録」をしなければなりません(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20120117132801.pdf)。 他にも手づくりの分野で「編み図」に相当するものについて調べてみました。 例えば、料理のレシピ。 料理のレシピの著作権については次のリンクに女性弁護士による解説がありますが、料理の作り方としてのレシピは「アイデア(思想)」であり、アイデアは著作権の保護対象とはならないとあります(料理の作り方も、保護したい場合は「実用新案登録」をしなければなりません)。しかし、料理の作り方の説明としてのレシピは、写真を入れたりするなど、解説の表現に独自性があれば著作物性があるとみなされ、著作権で保護されるとあります。(http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/wxr_detail/?id=20130906-00032042-r25) 先ほどのニット作家さんは、ご自分の編み図は「図面の著作物」に該当すると法廷で主張されました。図面の著作物とは、日本の著作権法では、それ自体が芸術的価値のある(すなわち著作権保護の対象となる)建築物の設計図等を想定しています。 判決では問題の編み図は、「編み図における一般的な表示方法又は表示ルールに従い、他の編み図でも一般的に採用されている構成によって、原告編み物の作成方法を説明したものであると認められ、図面としての見やすさや、説明のわかりやすさに関し、特段の創意工夫を加えたものということはできず、図面の著作物としての創作性を認めることはできない」となっています。日本の編み図はいわば規格化されており、一定のルールに従い、その名のとおり図形式で描くことになっていますので、そこに表現性は認められにくいのかもしれません。 これに対し、先ほども述べたように、外国の法律では著作物と認められるものの範囲が異なる場合があります。 再びフランス著作権法を引き合いに出しますが(私の居住国の法律であり、当店の準拠法でもありますので)、フランスの知的財産法では著作物は「精神活動の産物(œuvre de l’esprit)」であり、「その種類、表現形式、価値又は目的のいかんを問わず、著作者の権利を保護する」ことになっています(http://www.cric.or.jp/db/world/france/france_c1.html#110)。 また、アメリカの編み物雑誌Vogue Knittingのアーカイブでは、ニットパターンの著作権に関する記事が2点(http://www.vogueknitting.com/magazine/article_archive/ask_a_lawyer_knitting_and_copyright.aspx・http://www.vogueknitting.com/magazine/article_archive/a_matter_of_principle.aspx)公開されていますが、いずれも知財法専門の弁護士が回答しており、「(印刷物としての)ニットパターン自体は著作権で保護される」という点については論を俟たないようです。アメリカ著作権法では、ニットパターンは「言語著作物(言葉、数字またはその他言語的もしくは数学的な記号もしくは符号により表現された著作物)」として自動的に保護対象になるのでしょう(http://www.cric.or.jp/db/world/america/america_c1a.html)。 アトリエ・ニッツで販売しているパターンの原作の著作物性の根拠はここにあり、パターンの日本語訳は「著作物」の二次的著作物であるため、著作物となる、と考えています。当店のパターンの著作権については、これがお客様への回答となります。しかし、話をもっと広く、日本の編み図に戻しましょう。 判例では編み図には著作物性が否定されましたが、日本の著作権法でも、編み図が掲載された書籍は保護対象となります。 編み図一つ一つには著作物性がないとしても、書籍は表現性があれば「編集著作物」として著作権の保護を受けるのです。例えばデータベースは、内容自体はデータであり、著作物性がありませんが、その編集の方法に表現性が認められれば、保護の対象となります。この場合、「部品」を「組み合わせた人」、つまり編集者が「全体」について著作権を持つようです(岡田薫『著作権の考え方』岩波新書869、2003年)。 ただし、書籍の著作権法による保護の範囲は、英語では“コピーライト”というように、複製の禁止に限定されます。 皆さんが持っている編み物本にも複写(コピー=複製)についてのクレジットがありますね。 書籍のコピーが著作権侵害になるのは、本を購入すると、本というモノは自分の所有物になりますが、書かれている内容は自分のものにはならないからです。小説をコピーしてはいけないというのが例として一番わかりやすいでしょう。小説家は「出版権」という複製権を出版社に許諾し、出版社は小説という無形の著作物を書籍という有形の媒体に固定することで皆さんの読書に供しています。この複製権は独占的なものなので(著作権法第80条3項)、出版社以外の人間には複製は許されていません。 コピーの話ついでに言うと、誰にも身に覚えのあることだと思いますが、お友達に自分の持っている本の編み図をコピーしてあげるのも著作権侵害となるのです(スキャンなどのデジタル化やメール送信も「複製」に該当します)。著作権侵害をしたくなかったら、日本複製権センター(http://www.jrrc.or.jp/contract/personal.html)等の著作権管理団体を通して複写の利用許諾を取り、使用料を支払わなければなりません。図書館で編み物の本をコピーするのも、著作権侵害です。図書館での複写は研究目的に限定して許可されているからです(編み図の歴史的変遷について、あるいは編み物をめぐるディスクールについて研究する・・・などという場合はOKです)。当店の利用規約でもコピーに関してはさまざまな規定をしています(http://atelierbis.xsrv.jp/guide/)。 では、もう一つの大問題、「編み図にしたがって編んだものを販売する」はどうでしょうか。次回はここから話を始めたいと思います。 応援よろしくお願いします。

2014年の個人的抱負。

2014年。 明けてずいぶん経ちますが、ニッターとしての個人的抱負は戒めから始まります。 ・いたずらに作りたいものを増やさない ・みだりに在庫糸を増やさない つわものの方に比べると在庫数は少ないと思いますが、それでもRavelryのStashページを見ると、使ってない糸がいっぱいあるのですよ~(正直に登録しなければいい?)。 あの作品を作りたい!と思って糸を買うのですが、作りたいと思うスピードに手がついていかず、宙ぶらりんになっている毛糸がたまさかあるのです。 例えばこんな。 Malabrigo Sock: eggplant & Madelinetosh Sock: Silver Fox Different Linesにしようと思っています。 スティーヴンさんの暖色系の色づかいに憧れて、こんなものも買いましたね。 Malabrigo Sock: Terra Cotta Malabrigo Sock: Tiziano Red Daybreakにするか、他の色と合わせてColor Cravingにするか・・・。 他にも安かったので買い込んでしまったMalabrigo Laceとか。。。 Emerald Damask Rose Paris Night Polar Morn Tortuga まさに「罪個」な数々。。。 そして、年始にそんな決意をしたばかりなのに、年末に注文したDropsのアルパカ糸がごそっと届いたのでした。 (だって安かったんだもん~) もう一つの抱負は、アイデアを形にすること。 とろくて鈍い人間なので時間はかかりますが、少しずつでも形に出来たらなと思っています。 そのために買い込んだ糸もあるんですよね~;。 今年もおつき合いいただければ幸いです^^。

開店1周年~フォトギャラリーをオープンしました!

皆さん、こんにちは。 早いもので、アトリエ・ニッツが本日開店1年を迎えました! お客様やテストニッターの方々などとの多くの出会いがあり、皆様に支えられて1周年を迎えることが出来ました。 皆様、本当にありがとうございました。 今後とも、海外のステキなパターンを皆様に日本語でお届けしたいと思っております。 (今新しいデザイナーさんのショール2点をテストニット中です^^) 応援よろしくお願いいたします。 m(_ _)m そこで、と言ってはなんですが、かねてよりやってみたいと思っていたフォトギャラリーを 開店1周年にあわせてオープンしました~ (*^o^*)/! ↓↓↓↓↓ コチラです! ↓↓↓↓↓ Atelier Knits Photo Gallery 別ドメインになっていますが、Atelier Knitsのパターンに戻っていただけるようになっています。 ショップのパターンのページからも、ギャラリーの該当作品へのリンクを設けました。 テストニッターの方やお客様にいただいたステキなお写真を掲載しています! (私が作ったものの写真も・・・お目汚し申し訳ありません;) 糸選びの参考として、ご利用いただければ幸いです! 掲載OKの方は、atelierknits.photos★gmail.com にお写真をお送り下さい。 (★をアットマークに変えて下さいね) お待ちしております♪

皆さんの「出来たよ!」募集します♪

皆さん、こんにちは! 今日はお写真&リンク募集のご案内です。 今までアトリエ・ニッツのパターンを編んでいただいたお客様から、 完成のご報告やお写真をいただくことがあったのですが、 せっかくなので、皆さんの出来たよ!という気持ちをシェアできたらと思いました。 当店ではFacebookページを持っておりまして(発展途上中ですが^^;)、そちらのほうに ブログ記事へのリンクやいただいたお写真を掲載させていただきたいと思っています。 facebookに載せてもOKな場合は、以下のアドレスにブログ記事のリンクまたはお写真をお送り下さい。 atelierknits.photos★gmail.com ★をアットマークに変更してくださいね。 皆様のステキな作品、お待ちしております^^。

Stephen Westさんのファンの方、アンケートにお答え下さい♪

皆さんこんにちは。 今日はアンケートです! ファンが多いスティーヴン・ウェストさんのパターンですが、次に日本語版を出すパターンを迷っておりまして、 それならファンの方にうかがってしまおう!と思い立った次第です。 Ravelryのページでスティーヴンさんの全作品がご覧いただけます。 多作な方なので2ページに分かれていまして、 Stephen Westさん作品ページ1 Stephen Westさん作品ページ2 クリックすると別のタブで開くようにしてありますので、パターンを見ながら投票して下さいね! このページはラベリーのアカウントを持っていなくても見れます。 巻き物系とそれ以外でアンケートを取りたいと思います。 (お好きなパターンがもれている場合は申し訳ありません;)。 [poll id=”2″] [poll id=”3″] ちなみに私はGlacier Sweep とGyllisがいいなあと思っています。 Gyllisのサンプル作品は、渋めの色を使われていますが、明るい色で編むと春らしくフェミニンになるかなあと。 羊風のRaxturも面白い~。 というわけで迷っているのですよ^^;。 アンケートにいただいた方、ご協力ありがとうございました! スティーヴンさんに結果をお伝えして、パターン準備をしたいと思います♪

謹賀新年

8時間遅れで、こちらも新年を迎えました。 皆さま、明けましておめでとうございます。 2012年は年女でして、一念発起してショップをオープンしたりと、いろいろなことがあった年でした。 多くの出会いに恵まれ、多くの方に支えらて、ここまで来ることが出来ました。 本当にありがとうございました! 今年もどうぞよろしくお願いいたします。 2013年が皆さまにとって実り多き年でありますように! n’ami

海外高級毛糸に手を出したい方へ~Yarnaholicプレオープンです!

ええ、以前私的編み物ブログの方で、「汝、高級毛糸に手を出すなかれ」と 皆様に申し上げた私です。 でも、高級毛糸はやっぱりステキ。 特に手染め糸は、味があっていい。 見ているだけでも幸せになってしまいます。 煩悩もむくむく湧いてきます。 で、そんな海外の手染め糸を日本で買えるオンラインショップがオープンしたのです! その名もずばり、Yarnaholic !! 店長のAKIKOさんが一つ一つセレクトされた糸を販売されています。 日本だからもちろん発送も安心。 お支払いも銀行振込みです。 今のところ”プレオープン”で、Three Irish GirlsとBaah!Yarnを取り扱っていらっしゃいます。 これから、世界的に有名なあのブランドの毛糸も入荷される予定ですよー。 期待度高し!! すでにSOLD OUTの商品もあります。 今すぐチェックしてみて下さい!!